研究課題/領域番号 |
24520903
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
古田 昇 徳島文理大学, 文学部, 教授 (30299333)
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研究分担者 |
中条 義輝 徳島文理大学, 文学部, 教授 (10124108)
川瀬 久美子 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (40325353)
小林 郁典 徳島文理大学, 理工学部, 准教授 (90248328)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | GIS / GPS / 地質資料 / 地域連携 / デジタルマップ / 図上演習 |
研究実績の概要 |
昨年度まで、遅延していた国土地理院からの基盤地図データが届いたことを受けて、徳島県、香川県、愛媛県と関連地域として兵庫県淡路島等播磨灘、大阪湾沿岸地域の資料収集をあわせて行い、広域災害、とりわけ南海地震等の発生時における被害ポテンシャルの策定に必要なデータの分析を進めた。 また、地域連携事業として、昨年度進めた徳島県美波町の避難経路マップを完成させ現地自治体と地区自治会に説明の上、手渡した。6月に香川県高等学校地歴研究会の地理部会の教員研修会に講師として出向き、高校地歴の教員に、「自然災害と地理学ーGISを用いた古地図 空中写真 災害履歴の活用」と題して講演した。9月に徳島文理大学香川キャンパスで実施した香川県との共同開催の「かがわこども大学」を行い、小学校高学年の児童とその父兄招いて、自宅・学校から避難所までの避難経路上での危険箇所を、新旧の大縮尺図とオルソ写真を用いて図上演習の形式で実施した。その際、GISを用いると共に、地域のおいたち等の土地に刻まれた歴史を熟知することの重要性を周知した。 これらを通して、既存の大縮尺図の重要性が再認識されたが、自治体においては、その利活用を更に推進する必要がある上、旧版図そのものの所在が曖昧な自治体も少なくないことが判明した。そこで、公文書館、図書館等を含めて、その所在確認を進め、また都市計画図が作成されていない地域では、国土基本図や、地籍図等の活用も含めて検討することとし、関係各所に照会を行なっている。この点は、次年度に置いても、GISデータと重ねあわせて検討することとし、継続研究を行う予定である。 また、年度末に、翌年度の徳島県等との地域連携に参画することが決定したので、これについても、研究課題に応じて、積極的に周知・普及につながる準備をおこなってきた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おくれていたデジタルデータの交付を受けたが、一括して膨大なデータ(およそ8テラバイト)となったため、分析量の切り分けに時間を費やした。また、既存のPCでは処理が追いつかない事態となったため、そのデータ構築を行い、優先順位を策定した。また、同時に地域への分析資料の還元に関わる行事・資料作成等に時間を配分したため。
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今後の研究の推進方策 |
様々な電子データの分析を加速するとともに、旧版地図の収集とGISへのジオリファレンスを行い、土地利用等の経年変化と水災害ポテンシャルマップの作成と普及を更に推進することとしている。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究代表者により支出予定のデータ解析用PCを別途調達し、現地調査・地域への普及用のモバイルPCを購入することとしたため、次年度に繰越となった。また、期間延長が認められたことで、現地調査等の日程を次年度に繰り越したため、必要額を勘案した。さらに、当初購入予定の地図類の一部を無償提供、複写等により調達したため。
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次年度使用額の使用計画 |
既存の分析用PCをフル稼働するとともに、モバイルPCを年度の早い段階で調達して調査・分析を加速する。また、いくつかの地域の旧版図の収集を行う。また、研究代表者・分担者が作成に関与した、治水地形分類図や土地履歴調査の成果図のGISデータの帝京を受けて、その解析をあわせて行う計画である。
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