研究課題/領域番号 |
24520914
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
福島 邦夫 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (60189933)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 民俗信仰 / 盲僧 / 修験 / 仏教寺院 / ホウニン / カクレキリシタン / 神職 |
研究実績の概要 |
平戸諸島の民間信仰について、様々な宗教者の観点からその仕事の内容を見た。盲僧、修験、神主、仏教寺院、ホウニン、かくれキリシタンなどの方面から追求し、その内容について資料、情報を得た。まず、盲僧は各家々の三宝荒神をまつり、荒神教、仁王教を持ってこれをまつる。荒神講や年中行事、人生儀礼にも関わる。荒神ばらいに加えて、講教を行う場合がある。盲僧寺院もお札配りなどをする。それから、生月島内に祀られる八十八カ所の世話をしている。(吉田良祥氏の場合)、仏像の開眼、たましいぬきをする。 作の神様、稲荷様、水神様、死霊様をまつる。次に修験は三宝荒神とお伊勢様をまつる講教をするほか臨時のご祈祷をする。お火たきと講教が2本柱である。(壱部、海生寺の場合)稲荷や死霊様の祭りに関わる。川祭りに関わることもある。川祭りは修験、神主が関わっている。川祭りには神主が3、40年まえから進出し始めた。神主はくんち、船の祓い、お札くばりなどをする。仏教寺院は春秋のお彼岸、お盆のお施餓鬼、11月の冬至冬夜と言って先祖をまつる。寒行といって荒神をまつることもする。荒神を祀ることがすべてにおいて重なっている。ホウニンは屋敷神を拝む宅神祭、地鎮祭、車の祓い、初午大祭などをする。かくれキリシタンは御前様と言われるかくれの神をまつるが、同時に天照大神、ご先祖様、弘法大師、荒神様を祀っている。以上、一般の人々に関わる宗教活動、信仰などに関してである。それらの関係は平行しており、混融と言うべきものはなかった。一方が他方を補い、他方が一方を補うというかたちのものであった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
カクレキリシタン信者に関する個別調査が遅れているとともに、民間宗教者に関する調査が彼らが多忙なため遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
カクレキリシタン信者に関する個別調査を行うとともに、民間宗教者に関する追加調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
謝金を払う調査が少なかったためと旅費が少額だったためである。
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次年度使用額の使用計画 |
民間宗教者やかくれキリシタンの調査に当てることにする。
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