研究課題/領域番号 |
24520915
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
稲村 務 琉球大学, 法文学部, 准教授 (50347126)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
2012年6月12日に「国際哈尼/阿カ宗教文化与医学文化」(ハニ=アカ族の宗教と薬草知識の国際比較)社会科学院紅河民族研究所(雲南省蒙自県) 国際ハニ=アカ文化学術討論会の準備会にて口頭発表を行った。国際学会自体は開かれたものの、9月の日中関係の悪化に伴い参加を見合わせたが、当該研究所との友好関係は変わらない。その後、以下の論文を執筆し、3本(計4本)は印刷中である。 2013・3「村落の移動と環境-雲南省を中心とするハニとアカの生態系」『地理歴史人類学論集』4号(2013) 琉球大学法文学部紀要人間科学別冊。f.c.「棚田、プーアル茶、土司―『ハニ族文化』の『資源化』―」。 『民族文化資源の生成と変貌 ─ 華南地域を中心とした人類学・歴史学的研究(仮題)』武内房司(編)風響社 。2012「集合的記憶としての系譜―中国雲南省および東南アジア諸国のハニ=アカ族の父子連名制系譜を事例として―」『琉大アジア研究』11号 琉球大学国際沖縄研究所アジア研究部門。f.c.ハニ族と雲南イ族における薬草知識をめぐるポリティクス―ABS法と非物質文化遺産―」『中国における民族文化の資源化とポリティクス(仮)』風響社。f.c.「民族医薬辞典のなかのハニ族・アカ族・イ族の薬用植物知識の比較―「伝統的知識」をめぐる批判的検討」『琉大アジア研究』11号 琉球大学国際沖縄研究所アジア研究部門。研究目的の遂行のためのデータベースの作成を半ば進めており、そのための中国の政策を中心にした基礎的な著作である。 比較資料のフィールドワークのため台湾に行き、ハニ族の資料とともに現在資料をまとめている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
論文の執筆は順調である。フィールドワークにかんしては2012年6月に雲南省の調査と研究所での口頭発表を行ったが特に問題はなかった。しかしながら、同年9月以来、日中関係が冷え込み様子を見ている状況がある。今のところ、雲南省の諸関係機関とは友好な関係を維持しており、大きな問題はないように思われる。台湾などの比較資料についてはフィールドワークは順調である。
|
今後の研究の推進方策 |
引き続き中国雲南省のフィールドワークを中心に研究を行う。同時に国境を越えた同じ民族であるアカ族(ハニ族)の住むラオスにもフィールドワークを計画している。文献収集も含む比較資料の収集のため台湾、雲南、タイ、ラオス、奄美などのフィールドワークを企画している。研究計画の大きな変更はない。
|
次年度の研究費の使用計画 |
ハニ族の棚田が6月には世界文化遺産に登録される見通しであり、それによって研究状況の変化が考えられる。日中関係と中国の関係諸機関の動向に注意しつつも、フィールドワークと文献収集を行う。特に「ハニ族口伝文化註記」(全一〇〇巻)の出版が控えており、同シリーズの購入とタイ・ラオス・台湾・奄美も含めたフィールドワークが中心になる。調査データの入力と解析のため学生中心にを短期雇用する。
|