研究概要 |
本研究は、西洋のアカデミック主導によって形作られてきた南アジアの贈与ダーナに関する研究に対して、非西洋の側からの学術的貢献を果たすことを最終的な目標に掲げており、その具体的な策として、これまでジェンダー研究において非西洋のセクシャル・マイノリティ、あるいは「第三のジェンダー」として着目されてきたヒジュラに焦点を当てて、そのヒジュラに対するダーナ(贈与)の実践に着目した現地調査を行うものである。 本研究計画の初年度においては、インドのヒジュラに関するこれまでの研究成果を西洋に向けて発信していくことに重点を置いてきた。その一つの活動として、マケドニア国のスコピエ市で開催されたサマースクール "Sexualities, Cultures and Politics: Queerness, Community and Capital: Towards New Alliances of the Political ( August 13-18, Skopje, Macedonia)に参加し、ジェンダー/セクシュアリティ研究に関する西洋での動向を掴むと同時に、海外の若い研究者たちとの意見交換を通じて、自らの研究の指針を定めることに努めた。また、2012年11月には、インドのブバネシュワール市において開催されたIUAES(国際人類民族科学連合)大会 “Children and Youth in a Changing World,” において口頭発表を行い、南アジア地域研究に従事する海外の人類学者たちとの意見交換を行う機会にも恵まれた。その成果として、発表原稿に修正を加えた論文を群馬県立女子大学の紀要に掲載した。
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