2012年~2015年の間、調査村と住民の様子はめまぐるしく変化した。タッピングの本格的開始により、ほぼ1年を通して仕事があり給料が得られるようになると期待されたが、最初はゴム会社の方針が安定しない(インセンティブの付与と廃止等)こともあり、会社から厳しいコントロールを受けつつ慣れない労働に従事する村人たちの反応は複雑だった。会社に不信感を抱き、ときに怒りを見せることもあったが、他方でかつて得られなかった額の現金収入を得られるようになり、消費社会への参入を果たしたと実感する人々も認められる。労働者に留まらず新たな事業に乗り出す住民もいる。プロジェクトの影響は誰も予想しなかった様相を見せている。
|