東日本大震災の被災地では、震災後、ローマ・カトリック教会仙台教区の方針で可能な限り全教会に司祭が常駐するように配慮され、フィリピン人などの外国籍信徒を教会に迎い入れるようになった。調査対象の岩手県A教会にはフィリピン人司祭が配置され、震災前110人だった信徒が震災1年後に190名に増加したが、そのうちの成人はすべてフィリピン国籍の女性、子どもたちの大多数は日本人とフィリピン人を両親にもつ子どもたちである。被災地各地のフィリピン人信徒はそれぞれの地域の教会を基盤としてグループをつくり、相互にネットワーク化することを通して、日本人中心だった各教会の活動に参加、被災からの回復をめざしている。
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