研究課題/領域番号 |
24520924
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研究機関 | 東海大学 |
研究代表者 |
川崎 一平 東海大学, 海洋学部, 教授 (10259377)
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研究分担者 |
山田 吉彦 東海大学, 海洋学部, 教授 (90512616)
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キーワード | 国境離島 / 沖縄 / 海洋政策 |
研究概要 |
今年度は,研究代表者である川崎は,石垣市を訪問し,同市における「海洋基本計画」策定後の現状について,①市職員,②漁協組合及び漁業従事者,③環境保護団体,④まちづくり市民団体から聞き取りをおこなった.その結果,①行政機関として,市民意識の高揚を図るために,市民団体等との連携強化の必要性を認識していること.また,石垣市ないしは石垣島の社会構造の特質を把握することも必要であるとの認識を有していることが理解できた,②漁協組合及び漁業従事者からは,日台漁業協定の策定にあたり,日台間の漁法の相違により尖閣諸島周辺でのマグロ漁場における合意の必要性を認識していることが明らかとなった.この件については,日本側ルールにしたがい解決の方向に向かいたいとのことであった.③環境保護団体からは,尖閣問題について,石垣市海洋基本計画と連動させ当該海域を海洋保護区として保護する見解に関心があること,また④島づくり団体からは,島の文化と海の関わりについての伝統文化についての社会教育の必要性,さらに海に親しむ機会を作り出す「しかけ」が必要であるとの認識が示された. また環境保護団体,島づくり団体などの民間団体が活動内容をパネル化し,相互に活動を深めていく動きがあることもわかってきた.さらに,民間団体を含めた各種関連機関が集まるワークショップ,あるいはタウンミーティングの開催について要望があり,翌年度の研究において,それらの実施を検討することとした. 一方,研究分担者の山田吉彦は,上記調査に同行したほか,離島政策に関わる他の地域との比較のため,鹿児島県を訪れ,離島の現状について特に経済地理学的調査をおこなった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2013年度,研究代表者が大学役職者の職に就き大学運営業務が増加し,当初予定していた調査活動を実施するに十分な時間を得ることができなかったため.
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今後の研究の推進方策 |
2014年度は,最終年度となるため,研究を遂行するために以下の方法をとることとする.聞き取り等の調査は,書面にて郵送をおこない,その結果をまとめ冊子を作成する. それら冊子を関係機関に送付,意見交換の材料として年度内の実施に向けたワークショップの準備とする.最終的なまとめとして,年度末にワークショップを開催し,それら内容を報告書としてまとめる計画である.
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次年度の研究費の使用計画 |
研究代表者が大学役職者に就任し,調査に必要な時間を作ることが困難であったため,旅費相当分が残額となったため. 翌年度研究計画として,実施調査に加えて郵送によって質問票を関連機関に配布.それらデータを入力し,整理したうえで冊子を作成する.それら冊子を,再度,関係機関に配布したうえで,意見交換の場として「ワークショップ」を石垣市で開催する計画である. 研究費の使用目的としては,調査旅費,質問票郵送代,冊子製作費,データ入力アルバイト代,ワークショップ開催費(会場代)にあてることとする.
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