研究課題
基盤研究(C)
この研究の目的は、第一に昭和初期の民俗学・口承文芸研究の黎明期に、隣接諸科学と民俗学とがどのような関係をきり結んでいたかを研究史として明らかにすることにある。第二に、第一の研究から得られた成果をもとにして、将来の民俗学・口承文芸研究の可能性を探ることにある。その結果、分かった成果の一つを紹介する。昭和初期の口承文芸、とりわけ昔話研究は方言研究と密接な関連を持って進められていたが、それともう一つ、博物学との連携が明らかになった。たとえば、結城次郎(1892-1945)は昆虫採集活動と民俗採集・昔話採集活動とを同時に行なっていた。人文学と自然科学とを同時に行なうことが研究を実り多いものにしていた。
民俗学