近代「国際法」の法理において国家は「文明国」「野蛮国」「未開国」に分類され、開国当初のに日本は、欧米諸国から「野蛮国」に位置づけられた。その結果、国家としての完全主権を認められず、不平等条約の締結を強いられた。他方で、「文明国」への仲間入りを果たそうとする日本は、その途上で中国や韓国に対して不平等条約を強い、これらの国で領事裁判権を行使した。 本研究では、欧米諸国が日本で行った領事裁判と日本が東アジアで行った領事裁判の具体的事例を外交史料や判決原本をもとに調査・分析し、両者の裁判が果たした役割を問うた。また、韓国については領事裁判が、理事官による裁判を経て、植民地裁判に移行する過程を追った。
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