• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

中古住宅の取引過程における情報と専門家の職業倫理規範に関する比較法社会学研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530014
研究機関立命館大学

研究代表者

高村 学人  立命館大学, 政策科学部, 教授 (80302785)

キーワード法社会学 / 市場の構造
研究概要

2013年度は、アメリカのサンフランシスコ、ニューヨークの二つの市で集合住宅に併設する公開空地の管理の仕組、それが中古住宅価格に与える影響をBID地区を対象とし聞き取り調査を行うことができ、研究が大きく進展した。また現地調査実施によってアメリカの集合住宅や都市の空間構成について具体的なイメージを持つことができたので、調査後は、アメリカの住宅法の文献研究を飛躍的に進めることができた。
ただし公開空地と集合住宅をBIDによってエリア管理する枠組みが不動産価格の上昇のみを指標とすること、管理の民間委託を進みすぎることが自治が形骸化すること等の弊害もみえてきた。
また後半期は、過年度に実施した中古マンション購入者へのWebアンケート調査を報告書としてまとめ、二次分析も実施した。マンション管理評価機構との研究会もこの分析作業と並行しながら継続した。その結果、マンション価格や居住満足度は、被説明変数として用いることが難しいことがわかった。その理由は、価格評価が適正に行われていないこと、マンションを終の棲家と考える傾向が高まっていることなどが考えられるが、今後、宅建事業者や不動産鑑定士への聞き取り調査も実施しながら原因を探索していきたい。
流通の構造についてはアメリカ、フランスでまだ調査が進んでいないので今年度調査を遂行していきたい。ブルデューの『住宅市場の社会経済学』については読解を深めることができたので、Habitusの観点も入れながら日本の市場構造の比較を行っていきたい。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アメリカ研究は初めての経験なので文献の検討、ヒアリング相手の絞り込みに思いの外時間がかかったため、2013年度は国内調査研究とフランス研究がさほど進展しなかった。しかしアメリカ調査を実施したことで視野が格段に広がったので最終年度に向けた成果の期待は大きく高まった。

今後の研究の推進方策

アメリカでの不動産仲介の法的枠組みの研究を進め、流通関係者への聞き取り調査を実施する。フランスでも公証人の役割についての歴史研究は、2013年度において文献サーベイできたので2014年、2015年度においては現地調査の実施を行う。

次年度の研究費の使用計画

年度末の海外出張だったので執行が翌年度に入り込んだ
年度末にはアメリカ調査を実施し、実際の執行は翌年度に入り込んだが計画通りの執行となっている。今年度は計画通り国内調査と海外での成果発表の実施を中心に執行していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] 過少利用時代からの土地所有権論史再読 ―フランス所有権法史を中心に2014

    • 著者名/発表者名
      高村学人
    • 雑誌名

      政策科学

      巻: 21 ページ: 81-131

  • [学会発表] How can the Law help Prevent Tragedy of the Urban Commons?

    • 著者名/発表者名
      Gakuto TAKAMURA
    • 学会等名
      The 14th Global Conference of the International Association for the Studies of the Commons
    • 発表場所
      Fuji Calm(山梨県富士吉田市)
  • [学会発表] 空き家政策の法社会学的考察

    • 著者名/発表者名
      高村学人
    • 学会等名
      都市住宅学会関西支部記念シンポジウム
    • 発表場所
      大阪府住宅供給公社(大阪府大阪市)
    • 招待講演

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi