第一に、国家行政の特徴の一つはネットワークの構成物であることが明らかにされた。若者の支援のように、もともと生活困窮者支援の多くは行政が関与することなく民間が行っていたものである。国家行政の欠如において互酬を行動様式とする社会が形成されたが、ここに開始された国家介入がネットワークとしての行政である。 第二に、ネットワークの構成物である国家行政の法の解明の手がかりが得られた。国家行政は単に後退するのではなく寄生的存在へと転化していると述べる論者が存在する。寄生的存在である国家行政は、これが接続しようとする既存のネットワークの自律を破壊してはならない。ここに国家行政の法の萌芽が見いだされる。
|