ドイツでは、連邦と州の間の財政関係に関する規定が基本法(憲法)で定められている。中でも連邦と州の共同税及び諸州間の水平的財政調整制度はドイツに特有の制度であり、垂直的権限配分を特徴とする協調的連邦主義の下で、重要な役割を果たしてきた。しかし、連邦と州の権限の錯綜、連邦法による州の費用負担の増大等が問題になり、連邦と州の行財政権限の明確化と州の自立性の確保を目指して2006年と2009年に基本法の改正が行われ、連邦と州の財政関係も改革の対象となった。その結果、部分的な改正はなされたものの、従来の財政調整制度の枠組みは維持された。このことは、ドイツが再び協調的連邦制の道を選んだことを示している。
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