国境を跨ぐ保険取引を用いたリスク移転と法人所得課税が交錯する問題を分析した。対象取引は,(1)保険会社が行う再保険取引および(2)企業が行うキャプティブ保険取引である。 (1)に関して、外国保険会社へ支払う再保険料に係る米国の連邦消費税(excise tax)を検討した。(2)に関しては、保険料支払者側の当該保険料の所得控除可能性(取引の経済的実質)と当該保険料の金額の妥当性(移転価格)に分けて分析をした。前者では、最新の米国裁判例をもとに比較法分析をした。後者については、日本の平成26年度移転価格税制改正を踏まえ、オランダと英国の裁判例を分析するとともに、オランダの最近の動向を検討した。
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