研究課題/領域番号 |
24530039
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研究機関 | 大阪経済大学 |
研究代表者 |
藤澤 宏樹 大阪経済大学, 経営学部, 准教授 (60310984)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 憲法 / 社会保障法 / 教育法 / 韓国法 / 社会福祉法 / 子どもの貧困 / 就学援助 / 学校給食 |
研究実績の概要 |
平成26年度は、次の研究活動を行った。(1)文献収集、(2)論文執筆、(3)研究報告である。 (1)文献収集については、韓国教育支援法制の最新情報を知るための情報収集をおこない、一定の成果を得た。第一に、韓国子どもの貧困政策の特性に関する文献を複数収集できた。第二に、韓国給食支援制度に関する現況を知る資料を手に入れることができた。すなわち、仁川広域市の児童給食支援制度、ソウル市の無償給食に関する資料などである。第三に、現在の韓国で注目されている教育福祉の取り組みに関する文献の収集にも成功した。平成27年度も、引き続き収集を続け、準備のできたものから公表する予定である。 (2)論文執筆については、韓国の給食支援状況についてまとめた論文と、日本の就学援助制度の成立過程をまとめた論文を執筆した。前者については、昨年度収集した資料から大田広域市の欠食児童給食支援制度の現況をまとめた論文を公表した。後者については、昨年度のうちに執筆した日本学校安全会法における就学援助規定の成立過程をまとめたものと、「学ぶ者の生きる場所をめぐる検討」と題して就学援助制度の総論的検討を行ったものを公表した。 (3)研究報告については、福祉権理論研究会(於:早稲田大学)にて、「韓国子どもの貧困政策の特性について」と題する研究報告を行った。韓国子どもの貧困政策を概観し、その特性を明らかにしたうえで、日本の子どもの貧困政策との比較検討を行った。その結果、韓国では子どもの貧困対策として、現物給付の政策が重視されている点で日本と若干の差異があり、金銭給付と現物給付のバランスをどう考えるのかという点で、日本と韓国との間には同様の問題点があることが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度、達成度が思わしくなかった分を取り返すことができたのではないかと考えている。文献収集については、渡韓こそできなかったものの、精力的に情報収集を行った成果が出ている。 論文執筆については、順調に進んでいると考えている。平成27年度も複数の論文の公表を目指していきたい。
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今後の研究の推進方策 |
現在の韓国は制度の改変スピードが大変早いため、新しい情報を得ることが重要となっている。2015年に入っても、ソウル近辺の地方自治体が無償給食を中止するという事態が生じている。できる限り新しい情報を収集できるように力を尽くしたい。同時に、理論的検討の深化に努めていきたい。「学ぶ者の 生きる場所」という視点を掘り下げていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
文献をはじめとする資料収集がいまだ十分でないため。
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次年度使用額の使用計画 |
文献収集及び渡航費用に用いる予定である。
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