研究課題/領域番号 |
24530043
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中川 淳司 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (20183080)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 地域貿易協定 / 国有企業規制 / TPP / WTO / 規制の調和 |
研究概要 |
1)主要貿易国が締結した地域貿易協定に関する一次資料及び二次文献を体系的に収集し整理した。 2)平成24年7月に国際経済法学会(SIEL)第3回研究大会(シンガポール)で「FTAを通じた国有企業規制と中国への影響」に関する研究報告を行った。 3)平成24年11月にジュネーブのWTO本部で幹部職員を対象としてWTOドーハ交渉の現状と地域貿易協定隆盛の影響、特にTPPの影響につきヒヤリングを実施した。 4)平成25年3月に岩波新書『WTO 貿易自由化を超えて』を刊行し、地域貿易協定のネットワーク拡大とWTO体制の将来を論じた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初予定では本年度は地域貿易協定を通じた規制の国際的調和の実証分析に専念する予定であったが、上記学会発表により、地域貿易協定による国有企業規制の調和と中国へのインパクトに関する研究成果を公表することができたほか、上記岩波新書の執筆を通じて地域貿易協定を通じた規制の国際的調和とWTOを通じた規制の国際的調和の関連についての研究成果を一般向けの新書の形で取りまとめることができた。年度の後半にWTO事務局での幹部職員へのヒヤリングを通じてこの研究テーマに関する新たな知見を得ることができたことが大きい。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は地域貿易協定を通じた規制の国際的調和と多国間フォーラムを通じた規制の国際的調和の関係について、対象を国有企業規制から知的財産権、競争政策、環境規制、労働規制などに拡大して、実証分析を進める。特に、日本の交渉参加が決まったTPP(環太平洋パートナーシップ協定)を通じた広範囲の規制の国際的調和について、詳細な実証研究を実施する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度はアジアWTO研究ネットワークの研究大会(6月、台北)、アジア国際経済法ネットワーク第3回研究大会(7月、ソウル)で、それぞれ「WTO体制の将来」、「サプライチェーングローバル化と国際通商法」というテーマで研究発表することが決まっているほか、年度末には米国国際法学会(ASIL)研究大会(ワシントン)で「TPPと規制の国際的調和」をテーマに研究発表を申請する。次年度研究費のうち旅費を以上に支出する。 物品費は計画調書記載のように、地域貿易協定を通じた規制の国際的調和に関する文献・資料の購入に充当する。
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