平成26年度の研究目標は「現代東アジア諸国の国際法学に対する日本の影響(II)」と研究結果の「まとめ」である。その主な研究実績としては以下の四つがあげられる。(一)「中国国際法学に対する日本の影響」:2014年8月2日~29日(北京・国家図書館、上海・上海図書館)、2014年10月16日~28日(上海・上海図書館)の二回にわたって集中的に行った資料収集を通じて、近代及び現代資料を探し、分析を行った。(二)「韓国・北朝鮮の国際法学に対する日本の影響」:今まで収集した資料の中で、第二次世界大戦以後の国際法著作を中心に分析を行った。(三)「台湾・ベトナムの国際法学に対する日本の影響」:「台湾」については、2014年11月14日~23日、台湾国家図書館を中心に資料収集を行い、近代及び現代資料を集め、分析を行った。そして「ベトナム」については、ベトナム司法省から「Lai The Anh氏」を招いて(2014年12月2日~7日)、「ベトナムにおける国際法学の受容及び発展」に関して集中的に協議を行った。また、平成26年度が本科研の最終年度なので、今までの3年間集めた中国、韓国、台湾、北朝鮮、ベトナム、そして日本の「国際法学」関連資料を総合的に分析し、いままでの研究結果をまとめる作業を行った。(四)学会報告及び論文著述:まず、長崎で開かれた「第166回九州国際法学会」(長崎大学文教キャンパス、2014年12月13日)において「近代東アジアにおける国際法の「内的受容」と「外的受容」」(日本語)というタイトルで報告し、また上海で行われた「第二届翻訳史高層論壇」(華東政法大学、2014年10月17日)において「近代東亜是如何接受国際法的」(中国語)というタイトルで報告を行った。そして「国際法述語在東亜的伝播」という論文(中国語)を『法律翻訳与法律移植』(何勤華、屈文生、崔吉子(主編)、2014)に載せた。
|