研究課題/領域番号 |
24530055
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岩手大学 |
研究代表者 |
早川 智津子 岩手大学, 国際交流センター, 准教授 (90451492)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | アメリカ / 国際情報交換 |
研究概要 |
本研究の初年度である平成24 年度においては、国内における資料・情報収集、アメリカにおける資料収集及び現地の研究者との研究協力関係を作るなど予備的調査を行った。 1. 国内調査研究: 平成24 年度においては、本研究に関連するアメリカの社会保障法制等について、国内調査による資料収集、情報収集等を行った。資料収集については、研究に必要な図書を購入したほか、文献資料を多く所有している国内大学において、関連資料を閲覧した。 また、日本国内における外国人労働者への社会保障法制度の適用を巡る議論等に関する情報・資料収集も行い、併せて、2012年労働政策研究会議において、わが国の外国人の高度専門人材受入れに係るポイント制の比較法的研究を行ったほか、筑波労働判例研究会および東北社会法研究会において、わが国の最近の外国人に対する生活保護法上の保護の可否が問題となった判例の研究報告を実施した。 2. アメリカでの予備的調査研究: 上記1の国内での調査研究を踏まえ、アメリカでの資料収集及び予備的調査を行った。具体的には、アメリカの移民法を専門とする研究者が2年に1度集まるワークショップで研究報告を行ったほか、テキサス州にあるTexas Wesleyan大学法科大学院において研究者等を対象とした講演や、ルイジアナ州のLoyola大学法科大学院での授業でのゲストスピーカーとしての参加の機会を得て、次年度の本格的現地調査を前に、研究者や政府関係者等から現地事情に即した調査手法に対するアドバイスを受けたり、現地でのアポイントの取付けなどについて、移民法や社会保障法の研究を行っている現地研究者に協力を依頼するなどの可能性を探った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は、アメリカ法の比較法的検討を踏まえて外国人労働者の法的地位について考察した博士論文「外国人労働者の法的地位―入管法政策と労働法政策の交錯―」及び差別禁止の観点から調査研究を行った基盤研究(C)「アメリカ合衆国における外国人労働者の統合政策」の研究の成果の上に、アメリカ合衆国における外国人労働者の社会保障法の適用について調査研究を行うとともに、わが国の外国人政策にも視点を向け、生活保障面からの外国人の社会的統合策の充実について政策的提言を行うことを目的として研究を展開してゆくものである。 平成24年度は、資料収集を中心とする国内調査研究および次年度以降の本格的調査を前にアメリカでの予備的調査研究を実施することができ、本研究目的の達成に向けておおむね順調に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
本研究の目的及び平成24年度の研究の成果等を踏まえ、平成25年度以降(25年度、26年度)において、アメリカにおける現地調査を実施し、国内において論文発表ないし研究発表等の方法で研究成果を公表する。 1. アメリカでの現地調査研究 平成24年度において行った国内調査研究及びアメリカでの予備調査研究の成果を踏まえ、平成25年度において、アメリカ各州の社会保障法制度の内容及び運用について、ヒアリング調査を行う。具体的には、特徴的な法政策をとっている連邦・州などの政府機関や研究者等へのヒアリングおよび実態調査を行う。 2. 国内調査研究及び成果の公表 引き続き、国内において、アメリカ法及びわが国での議論に関する情報・資料収集を行う。そのうえで、本研究を通じて得られた成果を、論文や研究会における報告などで年1回以上発表し、他の研究者との意見交換を図る。
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次年度の研究費の使用計画 |
本年度は、国内外での資料収集にあたって、基礎的な文献についてはできるだけ図書館を活用するなど効率的な予算執行に努めたことなどにより、残額が生じた。 次年度は、上記のとおり、本年度の成果を踏まえ、アメリカでの現地調査研究および国内調査研究などを行うこととしており、そのため、より専門的なレベルの文献の入手や現地調査が必要となる。そこで、次年度使用額については、次年度の研究費と合わせて、アメリカ法判例データベースないしはアメリカ社会保障法に関する文献の収集およびアメリカの現地調査での費用に充てることとする。
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