EU、ドイツでは、2005年以降、子どもの消費者性を前提とした広告に関するルールが、競争法・消費者法の領域で形成され、司法判断も近年蓄積されている。このルール形成は、子どもが消費者であることと、及び子どもは、平均的消費者とは区別される、商業広告に対する保護を必要とする「脆弱な消費者」であるとの認識を出発点としている(2005年不公正取引慣行EU指令)。その一方日本においては、年齢に基づく消費者の特性は考慮されておらず、子どもを対象とした広告に関する法秩序はない。消費者教育の重要な項目とされているメディアに対する批判的な思考を育む上でも、子ども向け広告の秩序形成に向けた検討と議論は必要である。
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