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2013 年度 実施状況報告書

民事訴訟法における証拠法の改正問題

研究課題

研究課題/領域番号 24530080
研究機関東北大学

研究代表者

坂田 宏  東北大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (40215637)

キーワード民事証拠法 / 民事訴訟法 / 証拠収集 / 証拠開示 / 事案解明
研究概要

平成25年度は、平成24年度に刊行された三木浩一=山本和彦編著(垣内秀介、笠井正俊、坂田宏、杉山悦子)『民事訴訟法の改正課題』(2012年12月・有斐閣)でされた立法提案を基礎として、なおも先行研究や文献の渉猟とともに、諸外国における証拠開示制度について知見を広めるため、海外の文献を中心に渉猟し、データベースに加えた。
こうした研究に伴って、坂田宏「ドイツにおける裁判所がつくるブラック・リスト」三木浩一編『金銭執行の実務と課題』(2013年12月・青林書院)219頁~247頁を発表した。これは、民事執行法第4章「財産開示手続」において基本となる「情報提供における自己決定権」につき、1990年代ドイツの議論を紹介したものを改訂したものである。この研究の目的は、わが国の財産開示手続をより実効的なものにするため、いかなる改正が可能であるかを探ることにあるが、「情報提供における自己決定権」というドイツの概念は、むしろ財産開示を強制される者にとって基本的なものである。金銭執行に至った債権者が、債務者の財産状態を知ることが困難であるわが国の現状を打開するために、「情報提供における自己決定権」と調整をつけるべく、精緻な議論を展開した。
また、平成26年度に発行予定の石川明=三木浩一編『現代社会における民事手続法の機能』(信山社)に収録予定の坂田宏「ドイツ民事訴訟における職権による文書開示制度を手がかりとして」は、ドイツの法改正により釈明処分によって裁判所が文書提出命令を発しうる制度と弁護士・依頼者間特権との衝突について、日独学説の考え方の相違に触れつつ論じることができた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

上記「ドイツにおける裁判所がつくるブラック・リスト」三木浩一編『金銭執行の実務と課題』(2013年12月・青林書院)219頁~247頁を著したことにより、証拠開示制度における「情報提供における自己決定権」の問題にも一応の知見を得ることができた。
また、平成26年度に発行予定の石川明=三木浩一編『現代社会における民事手続法の機能』(信山社)に坂田宏「ドイツ民事訴訟における職権による文書開示制度を手がかりとして」を発表する予定である(現在、初校の段階)。

今後の研究の推進方策

平成26年度は最終年度でもあることから、より詳細かつ広範にわたる証拠開示の問題につき研究を施し、知見の充実と一定の提言を行う予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度使用額は、物品費、具体的には図書費(洋書)の購入について予想した見込み額と現実に購入した額との差に伴い発生した未使用額である。
平成26年度請求額と合わせ、平成26年度研究遂行のため(具体的には図書費(物品費)として)使用する予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 図書 (2件)

  • [図書] 『現代社会における民事手続法の機能』2014

    • 著者名/発表者名
      石川明,三木浩一(編著),坂田宏
    • 総ページ数
      印刷中
    • 出版者
      信山社
  • [図書] 金銭執行の実務と課題2013

    • 著者名/発表者名
      三木浩一(編),古賀政治,大坪和敏,今井和男,山本和彦,青木哲,坂田宏,大濱しのぶ,中野貞一郎,浜秀樹
    • 総ページ数
      416頁(219頁~247頁)
    • 出版者
      青林書院

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公開日: 2015-05-28  

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