情報の非対称性から、独立性の強い取締役会は監督機能を弱体化させ他方でCEO を強大化してきた。経済危機はCEO の報酬と短期的利益とを結びつけることの問題点を端的に示している。コーポレート・ガバナンス改革は、企業の長期的利益を促進し、会社関係者の利益のバランスをとり、取締役の説明責任を確保することに焦点を置くべきである。2006 年イギリス会社法が採用する「啓発的株主価値」アプローチでは、取締役は会社の長期的利益を促進する義務を負い、業績に影響を与える要因を考慮しなければならない。更に、イギリスは上場企業の非財務報告書を求める範囲を拡大している。これらはガバナンス改革に大いに資するものである。
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