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2014 年度 実績報告書

消費者契約法の理論的考察

研究課題

研究課題/領域番号 24530085
研究機関一橋大学

研究代表者

角田 美穂子  一橋大学, 大学院法学研究科, 教授 (10316903)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード民事法学
研究実績の概要

1.「適合性原則」は、もともとはアメリカの証券取引の自主規制や監督ルールであったが、わが国においては、ひろく金融商品取引一般のみならず消費者法の領域にも立法化がなされており、消費者契約法という民事ルールとしての導入可能性も模索されている。このような拡がりは、従来、顧客の保護は自己決定を可能とするような情報提供義務を事業者に課すことによって実現されるという「情報提供モデル」が、投資者保護・消費者保護いずれの領域においてもリベラルな法的介入のあり方として中核を担ってきたが、その限界が露呈し、問題点が認識されるに及んだことと関係がある。平成25年度に公表した拙著『適合性原則と私法理論の交錯』(商事法務、2014)は、このことをドイツ・ヨーロッパ法の120年余りの史的展開を追うことを通して明らかにしたものである。
平成26年度には、この分析を踏まえ、ヨーロッパにおける金融危機後の金融法制改革の決定版というべきEU第2次金融商品市場指令(MiFID-II)が2014年5月13日に成立したことを踏まえ、フォローアップ調査を実施したうえ、類似の問題を抱えるわが国の状況にリアルタイムな示唆を求めた。また、拙著の分析結果を踏まえ、わが国の裁判例に関する分析を行った。
2.平成26年度には、ヨーロッパにおける契約法の統一に向けた議論に進展があったことを受け、現地調査を実施した。EU立法のなかで消費者保護法の占める位置づけ、EU域内における電子商取引の発展を支援する立法のあり方等について、検討を加えた。その研究成果については、国際経済法学会(平成26年11月1日)におけるシンポジウム「地域経済統合と法の統一」において、「ヨーロッパにおける契約法の統一」について報告を行う機会を得た。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (7件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 契約締結説明義務違反に基づく損害賠償2015

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      別冊ジュリスト・民法判例百選Ⅱ

      巻: No.224 ページ: 10-11

  • [雑誌論文] 元利均等分割返済が約定された金銭消費貸借契約における約定返済額の超過額の充当関係2015

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      法学教室別冊付録・判例セレクト2014[I]

      巻: No.413 ページ: 19

  • [雑誌論文] Boersenhaftung fuer unterlassene Einstellung des Handels bei Stoerung des EDV-Handelssystems im Fall eines Mistrades: MIZUHO Wertpapier AG (MIZUHO) vs. Tokyo Stock Exchange (TSE), OLG Tokyo; Urteil vom 24. Juli 2013, Kinyu; Shoji-Hanrei 1422 (2013) 202015

    • 著者名/発表者名
      Mihoko SUMIDA
    • 雑誌名

      Zeitschrift fuer japanisches Recht

      巻: Vol.19 No.38 ページ: 235-247

  • [雑誌論文] 国際的な消費者保護と日本法2015

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      長谷部恭男ほか編・岩波講座・現代法の動態・4・国際社会の変動と法(図書所収論文)

      巻: 4巻 ページ: 25-49

  • [雑誌論文] 「適合性原則」と情報提供モデルの限界2015

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      先物・証券取引被害研究

      巻: 44号 ページ: 19-32

  • [雑誌論文] 仕組債(ノックインプット・エクイティリンク債)を販売した証券会社の説明義務(東京地裁平成24年11月12日判決・金法1969号106頁)2014

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      金融法務事情(金融法学会編集・金融判例研究第24号)

      巻: 2001号 ページ: 63―66

  • [雑誌論文] 証券取引所が取引参加者に対して負う契約上の債務についての覚書――ドイツ法からのアプローチ2014

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 雑誌名

      一橋法学

      巻: 11巻3号 ページ: 955-980

  • [学会発表] 適合性原則と私法理論の交錯2015

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 学会等名
      金融庁金融研究センター・金曜ランチョン
    • 発表場所
      金融庁(東京都千代田区)
    • 年月日
      2015-04-24 – 2015-04-24
  • [学会発表] EUにおける契約法の統一2014

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 学会等名
      国際経済法学会
    • 発表場所
      西南学院大学(福岡県福岡市)
    • 年月日
      2014-11-01 – 2014-11-01
    • 招待講演
  • [学会発表] 『適合性原則』と情報提供モデルの限界―ドイツ・ヨーロッパ法の視点から2014

    • 著者名/発表者名
      角田美穂子
    • 学会等名
      全国証券取引問題研究会
    • 発表場所
      奈良県新公会堂(奈良県奈良市)
    • 年月日
      2014-09-05 – 2014-09-05
    • 招待講演

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公開日: 2016-06-01  

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