• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実施状況報告書

自動車保険における損害額算定基準の在り方

研究課題

研究課題/領域番号 24530089
研究種目

基盤研究(C)

研究機関京都大学

研究代表者

洲崎 博史  京都大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (20211310)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード自動車保険 / 保険契約 / 損害額 / 人身損害
研究概要

本研究は、自賠責保険、任意自動車保険および人身傷害補償保険という自動車事故によって生じた人身損害をカバーする保険において、裁判外では、民事裁判において一般に採用されているのとは異なる損害額算定基準を用いて損害額を算定し、保険金支払を行うという扱いがなされていること(損害額算定基準の二元性)に関して、そのような制度設計の合理性を検証するとともに、これら各種自動車保険における損害額算定のあるべき姿について検討しようとするものである。平成24年度は、自賠責保険・任意自動車保険・人身傷害補償保険における損害額算定基準に関する国内外の文献を収集するとともに、保険実務担当者や弁護士にヒアリングを行い、損害額算定基準の二元性の沿革や実態について調査を行った。米国・英国・ドイツにおける保険法ないし自動車保険に関連する文献を渉猟した。
また、人身傷害補償保険については、そもそもこの保険契約が保険法2条6号の「損害保険契約」(より正確には同保険契約の下位類型たる「傷害疾病損害保険契約(同法2条7号)」)に該当するのかどうかという理論的問題が存在していることから、この問題の検討を行った。論文「人傷死亡事案において被保険者の法定相続人が相続放棄した場合の人傷保険金の帰属」損害保険研究74巻4号215-239頁(2013年2月)はその研究成果の一部である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、自賠責保険、任意自動車保険および人身傷害補償保険に関連する資料・情報を収集するとともに、パーソナルコンピューターやデータベースの購入により研究環境を整備することができた。また、前掲論文の執筆において、人身傷害補償保険契約の法的性質の分析を行ったことは、本研究の基礎固めという意味で大変有用であった。

今後の研究の推進方策

平成24年度に文献収集やインタビューを通じて得られた資料・情報の分析・検討を本格的に行い、調査結果をまとめる作業を開始する。そのような作業の中で生じてきた疑問点等に関して、保険実務担当者等へのヒアリングを引き続き行うことを予定している。
また、25年度下半期には、米国またはドイツ(または双方)への調査旅行を行いたいと考えている。

次年度の研究費の使用計画

自動車保険に関連する国内文献・外国文献について引き続き収集に努めるほか、判例等のデータベースの更新にも研究費を使用する予定である。また、保険実務担当者等のヒアリングや東京の図書館での希少文献の収集のための国内旅費、さらには米国・ドイツへの調査旅行のための外国旅費としても研究費を使用する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 人傷死亡事案において被保険者の法定相続人が相続放棄した場合の人傷保険金の帰属2013

    • 著者名/発表者名
      洲崎博史
    • 雑誌名

      損害保険研究

      巻: 74巻4号 ページ: 215-239

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi