研究課題/領域番号 |
24530095
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
七戸 克彦 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (00206096)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 物権変動 / 不動産登記 / 権利に関する登記 / 表示に関する登記 / 土地家屋調査士会ADR / 筆界特定 / 権原保険 / 代位による登記 |
研究概要 |
(1)著書・論文 日本司法書士会連合会+日本土地家屋調査士会連合会共編の弘文堂『条解不動産登記法』(弘文堂)の監修ならびに執筆が完了し,本年(平成25年)5月11日に刊行の運びとなった。また,単著『不動産登記法案内』(勁草書房)も,近日中に脱稿し,本年度中に刊行予定である。なお,福岡県土地家屋調査士会「ふくおか会報」118号(平成25年1月号)7頁~11頁に論文「平成24年の調査士関係判例」を掲載した。 (2)実務家との連携等 上記コンメンタールの編纂のほか,以下のような連携活動を行った。平成24年4月:日本司法書士会連合会にて民法(債権関係)改正の不動産登記に与える影響につき講演・意見交換。平成24年5月:土地家屋調査士福岡勉強会にて権原保険制度につき報告・討論。平成24年6月:中国ブロック司法書士会協議会,中国ブロック土地家屋調査士会協議会にて講演・意見交換。平成24年7月:岐阜県土地家屋調査士会にて表示に関する登記につき講演・意見交換。平成24年8月:福岡法務局より乙号事務民間委託の検討につき委嘱。平成24年9月:福岡県司法書士会にて遺言執行と登記関係の講義。平成24年10月:早稲田大学にて講演。平成24年11月:関東ブロック司法書士会協議会にて司法書士の倫理関係の講演,愛知県土地家屋調査士会にて調査士業務の方向性につき講演。平成24年12月:神戸および筑波にて司法書士中央新人研修講師。平成25年1月:東北ブロック土地家屋調査士会協議会にて表示に関する登記の講演。平成25年2月:茨城県土地家屋調査士会にて講演。平成25年3月:北海道地籍シンポジウム(札幌)パネリストとして講演(調査士会ADR制度に関するもの)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
(1)著書・論文 不動産登記法に関する日本で最も詳細なコンメンタールの編集作業が終わり,本年(平成25年)5月11日刊行の運びとなった。また,勁草書房より刊行予定の『不動産登記法案内』も,本年度中に刊行予定である。しかしながら,有斐閣より刊行予定の不動産登記法の教科書(単著)に関しては,作業が遅れており,スピードアップを図る必要がある。なお,新世社から刊行予定の物権法の教科書に関しては,本年(平成25年)5月には脱稿予定である。 (2)実務家との連携 勁草書房『不動産登記法案内』では,福岡法務局から提供を受けた登記所内の執務状況,不動産登記法14条1項地図作成事業等の写真を掲載する。司法書士会・土地家屋調査士会との間での意見交換・情報収集についても,おおむね良好であり,本年度(平成25年度)に関しても,昨年度(平成24年度)と同程度の講演・シンポジウムでの登壇が予定されている。なお,福岡県司法書士会との連携講座,ならびに,福岡にて開催されている土地家屋調査士の勉強会に関しては,本年度(平成25年度)も継続してさんか依頼が来ている。
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今後の研究の推進方策 |
(1)著書・論文 作業が遅れている有斐閣『不動産登記法』教科書(幾代通=徳本伸一『法律学全集』の後継書籍)につき,執筆作業を加速する。また,民法(債権関係)改正との関係では,とりわけ債権者代位権の改正が,代位による登記の実務に与える影響が大きいため,債権者代位権の本来型・転用型の改正案を,登記事務とすり合わせる作業を行う必要があり,この点に関する論稿を発表する予定でいる。 (2)実務家との連携 法務局とは,今後とも密接な連携を図る。司法書士については,業務内容が成年後見から遺言執行の領域にシフトしていることから,成年後見型信託登記・遺言執行と登記に関する検討を集中的に行う。土地家屋調査士に関しては,筆界特定制度・土地家屋調査士会ADR制度が運用面で隘路に陥っているため,制度の活用策につき検討を行う必要がある。また,不動産登記法14条1項地図の作成事業,地籍調査事業との連携等についても検討を行う必要がある。なお,司法書士・土地家屋調査士とも,目下,業法(司法書士法・土地家屋調査士法)の改正を控えていることから,改正案の作成に関しても,積極的にコミットしてゆく必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
昨年度(平成24年度)と同様,(1)著書・論文の執筆,(2)実務家との連携のいずれに関しても,最新の文献の収集が必須であり,研究費の使途も,昨年度と同様,書籍代に大半が費やされるであろう。
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