研究課題/領域番号 |
24530107
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
馬場 圭太 関西大学, 法学部, 教授 (20287931)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 消費者権利指令 / 共通欧州売買法 |
研究概要 |
本年度は、①「2011年10月25日の消費者の権利に関する欧州議会及び理事会指令」および②「2011年10月11日の共通欧州売買法規則提案」を中心に研究を行った。いずれも、ヨーロッパにおける契約法・消費者法全体を対象とする法統一へ向けた取組みであるが、契約締結過程に関する規範の重要な部分(撤回権、意思表示法など)を含んでおり、本研究の土台部分を構成する。①の翻訳はすでに公表済み(関大62巻3号〔寺川永・関西大学准教授および原田昌和・立教大学教授との共訳〕)であり、②も他研究者と共同で行っている翻訳作業をほぼ終えることができたので、今後は作業の中心を規範の分析に移すことになる。 さらに、③フランスにおける債権法改正案の動向に関する研究も継続している。コメンテーターとして参加した講演会の翻訳〔山城一真「講演『消費法の法典化』をめぐる討論の概要」民商146巻4・5号〕が公表されている。その他に提出済みの論稿があるが、現時点では公表されていない。 ④3月初旬にパリ大学および付設図書館(フランス)に出張して、関連資料の収集を行うとともに、ヨーロッパの最新状況についてジョナス・クネッチュ専任講師(パリ第2大学)および仏滞在中の日本人研究者から聴き取りを行った。とりわけ法実効性確保(消費者団体訴訟の立法動向など)に関して貴重な情報を得ることができた。 その他、⑤民法の概説書(契約締結過程に関する部分)の執筆(原稿提出済、未刊行)、⑥シンポジウム報告のための準備作業を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度海外出張による調査を行った国がフランスに限定されたため、実地調査の対象国が予定より少数にとどまったが、平成25年度以降の調査により十分対応可能であると考える。その他の点については、順調に研究を遂行することができている。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き、文献にもとづく調査・分析を行うとともに、人的ネットワークを駆使して可能な限り幅広い実施調査を行うことにより、文献調査では十分に得ることのできない知見の獲得に努める。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に実施した海外出張の期間が予定より短期間にとどまったため、「次年度に使用する予定の研究費」が生じた。平成25年度は複数回の海外出張を予定しており、出張費が不足する可能性があるため、主としてその分に充当することを予定している。研究計画自体の変更はない。
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