最終年度の平成26年度については、平成24年度及び平成25年度を通じて行った資金提供者、資金調達者及び学識経験者へのアンケート調査の結果、及びその結果等を踏まえ実施した関係者への個別取材の結果、そして平成25年度に実施したフランスにおける知財担保の実態調査の結果を、研究補助者等との討議や文献を通じての知識取得を踏まえ、総合的に検討し、研究論文にまとめ、横浜法学平成26年度9月号により発表した。また、当該論文の抜刷をアンケートに協力していただいた回答者、関係団体、取材に協力していただいた関係者、担保法又は知財法の研究者等に配布した。 論文の内容についてであるが、「第1 資金提供側に対する調査の結果について」、「第2 資金調達側に対する調査の結果について」及び「第3 学識経験者に対する調査の結果について」において、これまでの2年間に行ったアンケート調査及び聞き取り調査結果を紹介するとともに、そこから得られた知見を「小括」にまとめた。また、「第4 海外における映画製作に対する資金提供・調達の方法について」では、主としてフランスにおける調査の結果を踏まえ、制度及び運用の両面から調査内容の整理分析を加え、まとめた。最後に「知的財産権を用いた資金提供・調達の今後のあり方について」では、それまでの記述を踏まえ、「1 知的財産権を用いた資金提供のけん引役となるような金融機関等の育成」、「2 専門的知識の拡充と地検の整理・共有化」、「3 権利保全制度の整備」及び「4 知的財産権の処分先の確保とそれを円滑に行うための環境の整備」について、課題の指摘と提言を行った。
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