本研究では、スウェーデンの患者安全を推進するための法制度からの知見をもとに日本の患者安全を推進するための制度への示唆を得た。 スウェーデンでは、患者安全に関する法改革(患者安全法)が行われ、医療・ケア監督庁が設立され、保健・医療サービス提供者への監督を通じて、患者安全や医療の質が保証されている。同庁は、医療機関の組織調査を行い、医療事故の原因を解明し再発防止を図る。患者安全法に基づき、保健・医療サービス提供者は、患者安全に組織的に取り組む義務が課されている。他方、医療者の過失を問わない医療事故補償制度(患者損害法)でも、医療事故情報を収集し、原因を分析し、再発防止の取り組みが行われている。
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