研究課題/領域番号 |
24530125
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
魚住 弘久 熊本大学, 社会文化科学研究科, 教授 (60305894)
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研究分担者 |
東原 正明 福岡大学, 法学部, 准教授 (00433417)
大黒 太郎 福島大学, 行政政策学類, 准教授 (20332546)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 過疎 / 地域ガバナンス / 地域交通 / 小規模自治体 |
研究実績の概要 |
2014年度は本研究の最終年度である。主に研究論文の取り纏めにつなげるための研究会を2014年6月、2014年8月、2014年9月、2015年2月の4回開催した。また、過疎対策行政についての補完的な調査も実施した。 過疎地域の公共交通については、研究代表者が研究の基盤を熊本に移したことから、九州内の全ての第三セクター鉄道と、熊本県・鹿児島県・福岡県、人吉市・阿久根市・佐世保市・福智町・赤村などでヒアリング調査を実施したほか、第三セクター鉄道を廃止した高千穂町や日之影町でも調査を行った。こうした調査を通して、現場から課題・問題点を抽出しようと試みた。 海外から知見を得ることについては、『里山資本主義』に端的に示されているように、ヨーロッパが参考になると思われる。このことを踏まえつつ、ドイツ・ハレ大学で行われた高齢学会で報告したほか、ドイツのラインラント=プファルツ州の小規模自治体(人口800人)で人的ネットワークを築くなどした。 こうした研究成果は、「『過疎』はどのように論じられてきたのかー五つの雑誌を通してみた『過疎問題』史ー(1)・(2)~」(『熊本法学』第132号、133号、いずれも2015年)として公表しはじめたほか(4回連載の予定)、いくつかの学会・研究会での報告(講演)として結実した。 研究を社会に還元するための活動も積極的に行い、原発事故によって生活そのものを破壊された福島での「生活をめぐる地域ガバナンス」の再構築について、「かーちゃんの力・プロジェクト」(阿武隈地域の女性農業者たちによる「食と農」の復興事業)や、学習講座「ふるさと学級いいたて」の企画・運営(地域コミュニティの維持・再生を目指して実施)などにかかわった。これらの活動については、福島の地元紙である『福島民報』で取り上げられるなどした。
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