研究課題/領域番号 |
24530126
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
武田 宏子 東京大学, 総合文化研究科, 准教授 (20622814)
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キーワード | アイディアの政治 / 政治改革 / 日本政治分析 / 比較政治 / ウェストミンスター・モデル / 二大政党制 / イギリス現代政治 |
研究概要 |
当該年度においては昨年度から引き続き文献サーベイ/分析、資料収集/分析を行い、文献レビューをまとめながら、より実証的な調査研究の作業を始め、それにより得られた暫定的な知見を海外の学会で発表した。具体的には、1)90年代以降の政治改革の過程におけるさまざまなアイディアの競争とネゴシエーションの過程を「生活」、「再生産」、「二大政党制」、「ウェストミンスター・モデル」などのキーワードを使って整理し直し、イギリス、カーディフで行われたPolitical Studies Association(PSA, 2013年3月)、イタリア、ミラノで行われたSociety for the Advancement of the Socio-Economics (SASE, 2013年6月)、European Sociological Association (ESA)の会議で報告した。さらに当該年度の期間から多少ずれるが2014年4月にイギリス、マンチェスターで行われたPSAにおいても2013年度の報告をアップデートした報告を行った。こうした学会での報告は、これまで行ってきた作業に対し、PSAに参加した比較政治の観点からフィードバックを得ることに役立ち、研究の進め方を再考し、作業を一層発展させていくことに役立った。2)90年代以降の政治改革にかかわった政治家、実務家、研究者のインタビューを行ない、それぞれの観点から政治改革の過程がどのようの捉えらていたのか、直接お話しを伺った。3)2013年9月にシェフィールド大学を拠点としてイギリス調査を行い、文献の収集、インタビュー、イギリス現代政治分析の研究者との意見交換、日英学術交流の実態調査を行った。 以上の成果を得たことにより、2014年度に本研究を学術論文(英文/日本文)としてまとめていくことに、具体的な目途がたったと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上に記載したように、当該年度までの作業により学術論文(英文/日本文)を完成するための重要な材料を得ることができ、また学会報告を通じて海外の研究者からのフィードバックを受けた。さらに、学会報告のための原稿を用意するため、論文の草稿を作成した。論文をより質の高いものとし、また単行本の刊行を目指すためには、日英の学術交流の実態調査など、多少の調査研究の必要が依然として残されているが、それらは2014年度に予定していた追加調査で行える範囲の作業であり、したがって当初の「研究の目的」で目指していた研究年度内の論文の完成は充分に可能であると考えている。以上の理由により。「おおむね順調に進展している」の区分を選択した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の主な作業は次の4点である。1)2014年に9月にイギリスでの追加の調査を行い、調査研究を完了する。2)これまでに仕上げた草稿を改訂し、2014年度中に完成稿の段階まで仕上げる。3)完成稿をもとにPSA、International Sociological Association (ISA), European Association for Japanese Studies (EAJS)で報告をする。4)原稿の出版計画を具体化するため、Political Studies誌などに投稿するための準備を整えるほか、単行本の出版に向けて出版社と協議をする。
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