研究課題/領域番号 |
24530128
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
川人 貞史 東京大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (10133688)
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キーワード | 議院内閣制 / ねじれ国会 |
研究概要 |
本研究は,現代日本の議院内閣制の作動を,(1)近年の議院内閣制の制度改革,(2)制度の制約の中で効用最大化をめざす政治アクターの相互作用,(3)政治過程に注目しながら,理論的・実証的に研究することを試みる.具体的には,次の4つに焦点を当てる.1) リーダーシップ,政官関係,マス・メディアと内閣の存続の分析,2) 内閣と官邸の組織と運営,3) 議院内閣制と衆参ねじれ国会の関係,4) 与党内問題としての信任関係. 当該年度では,3) 議院内閣制と衆参ねじれ国会の関係,4) 与党内問題としての信任関係,を中心に分析を進めた.具体的には,ねじれ国会における首相の頻繁な辞任問題について,それが,必ずしも議院内閣制の辞任の制度的理由には該当せず,いわば,首相が追い込まれて,いやになって辞任する場合が多く,辞任してもねじれ国会の事態はまったく変わらず後継首相は同じ苦境に直面するだけであり,その意味で辞任するだけの価値のないことを明らかにした.首相が辞任しなければならない制度的理由は,(1)総選挙の敗北,(2) 不信任決議(案の提出),(3)参議院選の敗北,(4)党首選の敗北,(5)自発的辞任の5つだけであり,これは,内閣の存続条件である(1)衆議院(下院)における多数派の支持,(2)政権党(連合)内における内閣支持,のうちいずれか1つが満たされなくなるときに対応する. これらの成果を含めて,議院内閣制に関する日本および比較政治学的分析をまとめた単著の執筆に取りかかっており,来年度中に完成させて刊行する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データ収集に関してはすでに昨年度に終了しており,今年度は一部について分析を進めた. 研究のとりまとめ作業として,議院内閣制に関する単著を執筆中であり,研究機関が終了する来年度末までに刊行する予定である.
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今後の研究の推進方策 |
平成26 年度には,当初の研究計画では,分析および研究論文の公表・書籍化と一般向けの発信を掲げているが,基本的に,それに従い,分析および研究成果の取りまとめを行い,単著の執筆および刊行を進める.また,新聞等のメディアにも積極的に発信する. また,当初計画では平成25年度中に海外調査を行う予定だったが,当方および相手方との調整の結果,最終年度である平成26年度初めに,海外の研究者の主催する議会研究のワークショップに参加して,本研究の成果の一部を英文のペーパーとして報告し,意見交換する予定を立てている.
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次年度の研究費の使用計画 |
当初計画では平成25年度中に海外調査を行う予定だったが,当方および相手方との調整の結果,最終年度である平成26年度初めに,海外の研究者の主催する議会研究のワークショップに参加して,本研究の成果の一部を英文のペーパーとして報告し,意見交換する予定を立てている. 最終年度である平成26年度初めに,海外の研究者の主催する議会研究のワークショップに参加して,本研究の成果の一部を英文のペーパーとして報告し,意見交換する予定を立てている.
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