本研究は,現代日本の議院内閣制の作動を,(1)近年の議院内閣制の制度改革,(2)制度の制約の中で効用最大化をめざす政治アクターの相互作用,(3)政治過程に注目しながら,理論的・実証的に研究することを試みている.具体的には,1) リーダーシップ,政官関係,マス・メディアと内閣の存続の分析,2) 内閣と官邸の組織と運営,3) 議院内閣制と衆参ねじれ国会の関係,4) 与党内問題としての信任関係,に焦点を当てて分析を行った.最終年度は,5月にルートヴィッヒ・マクシミリアン大学(ミュンヘン)における研究ワークショップにおいて,日本のねじれ国会における立法の生存分析について研究報告を行い,また,ドイツ連邦議会調査(ベルリン)を行った.さらに,これまでの研究成果をまとめ,その一部を『議院内閣制』(シリーズ日本の政治1)東京大学出版会,2015として刊行した.
|