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2012 年度 実施状況報告書

タイ王室の政治的役割の変化:カンボジア及びマレーシアとの比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 24530130
研究種目

基盤研究(C)

研究機関一橋大学

研究代表者

浅見 靖仁  一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (60251500)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード王政 / タイ / カンボジア / マレーシア / プミポン / ノロドム・シハモニ / アブドゥル・ハリム・ムアザム・シャー / 国際研究者交流
研究概要

当初の予定では、平成24年度は、タイとマレーシアで現地調査を行い、平成25年度にタイとカンボジアで現地調査を行う予定だったが、10月にカンボジアのシハヌーク元国王が逝去し、その葬儀が行われることになったため、当初の予定を変更して、平成24年度にタイとカンボジアで現地調査を行うことにし、マレーシアでの現地調査は平成25年度に行うことにした。
タイでは、国立図書館で、1950年代から60年代の資料を収集し、また王政についての研究を行っているタイ人研究者への聞き取り調査も行うことができた。12月5日の国王誕生日には、祝賀式典のようすを直接観察する機会も得た。
カンボジアでは、かつて国立図書館としての機能も果たしていた王立仏教研究所の図書館と附設の古書店で、貴重な資料を多数入手することができた。またシハヌーク元国王の服喪期間中のプノンペン市民に聞き取り調査をしたり、王宮や王室とゆかりの深い寺院における服喪の様子を直接観察したりすることもできた。
タイとカンボジアでの現地調査、および日本国内での文献調査により、1950年代から60年代にかけて、タイとカンボジア両国において、王政の再構築が行われた時期には、両国の王室関係者は、互いの国における王室のあり方をかなり強く意識して行動していたことが明らかになった。また、両国の王室は、1950年代から60年代にかけて王政に関するさまざまな制度改革を行った際、ヨーロッパの王政のあり方も強く意識しており、両国における王室の伝統的な権威が揺らぐ中、ヨーロッパの王政との共通点を強調することによって、王室の権威を補強することをかなり意識的に行っていたことも明らかにできた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の予定では、平成24年度は、タイとマレーシアで現地調査を行い、平成25年度にタイとカンボジアで現地調査を行うことになっていたが、10月にカンボジアのシハヌーク元国王が逝去したため、予定を変更して、平成24年度にタイとカンボジアで現地調査を行い、マレーシアでの現地調査は平成25年度に行うことにした。
このため、マレーシアの王政についての研究は、当初の予定通りには進まなかったが、カンボジアの王政についての研究を予定よりも早く進めることができた。カンボジアでの現地調査においては、かつて国立図書館としての機能も果たしたことのある王立仏教研究所の図書館員及び附設の古書店の店主らの協力を得ることができ、多数の貴重な資料を収集することができた。
タイの王政については、王室のあり方をめぐる議論がタイ国内で活発に行われるようになってきたこともあり、王室に対してさまざまな立場をとる人たちから、タイの王室に対するかなり深く踏み込んだ意見を聞き取ることができた。
また、研究成果を発信するための、ウェブサイトも当初の予定通り、平成24年度中に立ち上げることができた。

今後の研究の推進方策

平成25年度以降も、タイ、カンボジア、マレーシアの王政について、現地でのフィールド調査及び文献調査を行い、比較研究を進める。平成24年度の研究によって、これら3国の王政は、ヨーロッパの王政をかなり強く意識して、制度の構築や変更を行ってきたことが明らかになったので、平成25年度以降は、ヨーロッパの王政についても文献調査を行う。

次年度の研究費の使用計画

平成24年度の残高8,877円は、平成25年度の物品費と合わせて使用する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] 東南アジアの王政比較研究プロジェクト

    • URL

      http://www.timur.soc.hit-u.ac.jp/monarchy/index.html

URL: 

公開日: 2014-07-24  

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