現代の民主主義国家においては、同一の住民、地域を管轄する統治機構が、基礎自治体、県・州政府、中央政府、超国家政府(EUなど)というように多層化しているが、各レベルの政治制度は、相互に関連し合いながら他レベルの政治的帰結に作用する。本研究では特に政党組織に注目し、マルチレベルの政治制度ミックスが、政党組織にいかなる影響を及ぼすのかについて分析を加えてきた。マルチレベルの政体を横断する形で存在する国政政党が、異なるレベルの制度にどのような影響を受けるのかをモデルとして示し、それを利用しながら日本やイタリアの主要政党を具体例として、その実態について検討を加えた。
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