研究課題/領域番号 |
24530141
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研究機関 | 大阪薬科大学 |
研究代表者 |
宗前 清貞 大阪薬科大学, 薬学部, 教授 (50325825)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 戦中期医療研究 / 福祉レジーム論 / 医療政策 / 医療供給体制 |
研究実績の概要 |
当該年度は特に戦中期の医療供給体制の形成について、中央政府と地方政府における行政の総合化の視点から再度考察した。具体的には、軍医養成の拡大や保健婦制度の制定について史料を収集し、それが総動員体制の完成に向けたものではあっても結果として官公庁が衛生行政の推進を行う主体であるとの認知につながっていることを明らかにしようと試みた。 この研究は別掲の公刊論文として公表することができた。
現在、最終年度内に完成を予定している単著の取りまとめに向けて、これまでに収集したデータや考察を取りまとめているところである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
26年度途中までは、当初想定していたよりも若干の遅れを感じていたが、夏季に集中的に資料収集を行ったこと、秋に複数の研究会に参加することで、「研究実績の概要」に記したような視座を明確にすることができ、研究の完成に一定の目途がついたことから、総じて順調な進展が見られていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
特に大きな方向の変更はない。戦中期の医療体制の形成が、戦後直後・高度成長期・安定成長期そして福祉縮減期にどのような影響を(長期的に)もたらしたか、ということの連関を明瞭にしながら、研究成果の発表に努めたい。27年度には公刊論文として2本程度の発表を予定するほか、先にも記したように本課題における探求を含めた医療供給体制の歴史的分析を完成させる見通しである。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度(平成25年度)からの繰越額があったので、本年は夏季にやや長い資料収集および分析のための他大学滞在を実施した(本務校においては人文社会系の史料がほとんどないため)。その結果、26年度までに交付された補助金額と実利用額がほぼバランスされているが、なお若干の差異が生じているが、総額400万円に対して2万円強である点から、ほぼ想定の範囲内の費消である。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度も経済的な利用に努めるとともに、本研究課題の成果がなおいっそう高いものとなるよう心がけて利用したい。
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