本研究は、日英独において主要政党が行政府エリート(閣僚、副大臣、政務次官など)を輩出する上での役割を考察するものである。組織化が進んだドイツとイギリスにおいては、国政で政治家になる前に政党内でキャリアを積んだり、政治活動をすることが重要なステップになることが確認された。またイギリスにおいては、とくに下院議員に当選後に政府内役職を積み上げることで閣僚になる道が開けるのに対して、ドイツでは連邦議会議員としてだけではなく、州政府での閣僚経験や他分野での指導的立場に就いていた実績が閣僚になるために重要であることが分かった。3国の違いは、各国における政党の役割によるところが極めて大きいといえる。
|