この研究では地域自治組織を地域での小規模公共サービス生産を目指した仕組みととらえ、地域自治区・合併特例区を選択した3自治体、自治体独自の制度化を図った5自治体を調査した。地域住民によるサービス生産に際しては、地域内連携を推進/疎外する制度的要因と、既存のネットワークが活用できるかで左右される。制度的な阻害要因としては、①課題設定と実働機能との調整、②被合併地域の不安定性、そして、既存のネットワークの動員を可能にする連携促進要因としては、①危機感の喚起、②リーダーによる地域内の既存ネットワーク資源の活用と課題解決の事業化、③外部人材による評価と相互学習が示唆された。
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