本研究の目的は、ラテンアメリカ各国における市民社会と民主主義が様々な種類の「暴力」から挑戦を受けている現実を踏まえ、この「暴力」とそこから生じている「不安」を市民主導型の安全保障の構築を通じて克服し、市民社会と民主主義の防衛・発展・深化を如何に進めるのか、この問題を課題とした。とりわけ、グローバル化と新自由主義の影響と密接に結びついた今日の「21世紀型暴力」は、地域社会のあらゆる領域に浸透し、また、国境を越えた拡がりを持っている。それゆえ、ローカルなレベルでの民主的なガヴァナンスの構築を基盤とし、国境を越えるリージョナル・ガヴァナンスとの連携を形成する必要性が確認された。
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