1990年代以降の日本における地方自治体の福祉行政に対して、社会的ネットワークがどのように関係しているかを確認した。地域において人や組織の間でつくられる関係である社会的ネットワークは、地域の人に対する支援を生む場合がある。地方自治体が提供できない福祉サービスを、社会的ネットワークが、地方自治体に代わって提供するように機能しているかどうかを確認した。 得られた研究結果は、地方自治体の行政では十分に提供できない福祉サービスを、社会的ネットワークが補うという形では機能していないということである。社会的ネットワークが充実しやすい地域において、地方自治体の福祉サービスが、より多く提供される傾向がある。
|