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2013 年度 実施状況報告書

1940年代後半における東アジア国際秩序形成過程の研究の脱「アメリカ」化

研究課題

研究課題/領域番号 24530167
研究機関岐阜大学

研究代表者

加藤 公一  岐阜大学, 地域科学部, 講師 (60345775)

キーワード現代史 / 国際関係史 / 東アジア
研究概要

当初の計画では、平成25年度には、米国とくに東海岸での一次史料の収集と調査を実施する予定だった。しかし、平成26年度に研究専念期間に入ることが認められたために、効率を考慮して、調査旅行を次年度に延期することにした。
そのため、平成25年度は、二次資料の分析をすすめて研究動向の把握につとめた。とくに「新しい冷戦史」研究の潮流と、その具体的実践としての東アジアにおける「冷戦」と脱植民地化に関する研究の成果を学んだ。その成果の一部を、平成24年度に戦後「満洲」史研究会で報告した内容をふまえて、『日本植民地研究』に「戦後東アジアの地域秩序を考える」と題した論考を発表した。この論考は、幸いにも好評を得たため、その内容をさらに敷衍したかたちで、別の論考を執筆することになり、平成26年7月に発表予定である。
一方、平成25年4月には、東洋文庫が主催する超域アジア部門現代中国研究班国際関係・文化グループ「1950年代中国研究会」において、「1950年代中国とアメリカ社会―『チャイナ・ロビー』を中心に」というテーマで報告をおこなった。この報告によって、アメリカ社会における親蒋介石派として知られる集団に関するこれまでの研究を総括し、将来の研究の見取り図を提示した。
さらに、吉川弘文館から刊行予定である『アジア太平洋戦争事典』において、米国の(とくに海軍を中心とした)軍事関係項目について執筆するために、その準備にもとりかかっている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

実証研究をすすめるための資料収集は残念ながら進展させることがほとんどできなかった。しかし、その代わりに、研究課題である「1940年代後半における東アジア国際秩序形成過程の研究の脱『アメリカ』化」の研究動向の整理と理論的枠組の提示として、論考を執筆することができた。この論考は、いわば研究課題全体の序論に相当するものである。
また「チャイナ・ロビー」研究に関しては、これまでの自らの研究をまとめる報告をすることによって、現在までの到達点を確認できた。

今後の研究の推進方策

米国での史料収集と調査を中心に進めていきたい。まず、カリフォルニア州スタンフォード大学フーバー研究所に所蔵されている蒋介石日記の調査は必須である。さらに、ワシントンDCの議会図書館所蔵のタイム社主ヘンリー・ルースや駐ソ大使アベレル・ハリマンなどの史料、ニュージャージー州プリンストン大学所蔵のUnited China Reliefの史料、ニューヨーク州コロンビア大学所蔵の顧維鈞の史料などの調査を進めることにしたい。こうした史料収集の成果をもとに、「チャイナ・ロビー」の中国側とのつながりを明らかにしていきたい。

次年度の研究費の使用計画

平成26年度後期に研究専念期間に入ることが認められたために、資料収集の効率を考慮して、平成26年度にまとめて調査旅行を実施した方がよいと判断した。そのため、平成25年度には、意図的に調査旅行を実施しなかったので、とくに旅費が未使用となった。
平成26年度に米国において資料収集のための調査旅行を実施する予定である。具体的には、カリフォルニア州スタンフォード大学や、東海岸のワシントンDCの議会図書館、ニューヨーク市のコロンビア大学などである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 戦後東アジアの地域秩序を考える―松村史紀『「大国中国」の崩壊』を読んで2013

    • 著者名/発表者名
      加藤公一
    • 雑誌名

      日本植民地研究

      巻: 25 ページ: 74~84

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公開日: 2015-05-28  

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