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2014 年度 実施状況報告書

1940年代後半における東アジア国際秩序形成過程の研究の脱「アメリカ」化

研究課題

研究課題/領域番号 24530167
研究機関岐阜大学

研究代表者

加藤 公一  岐阜大学, 地域科学部, 講師 (60345775)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2016-03-31
キーワード現代史 / 国際関係史 / 東アジア
研究実績の概要

平成26年度に研究専念期間に入ることが認められていたため、米国での一時資料収集を実施し、その成果を分析して実証論文として発表することを予定していた。しかし、不慮の事故による長期入院を余儀なくされたので、資料収集を実行できなかった。そのため、計画を変更して、平成25年度に引き続き二次資料の分析をすすめて研究動向の把握につとめた。とくに「新しい冷戦史」研究の潮流と、その具体的実践としての東アジアにおける「冷戦」と脱植民地化に関する研究を学んだ。その成果の一部を、『歴史学研究』の特集「『戦後日本』の問い方と世界史認識―冷戦・脱植民地化・平和」に、「戦後東アジアで『アメリカ』を学び捨てる―『冷戦としての戦後』と脱植民地化の記憶喪失」と題する論文を寄稿した。同論文は幸いにも好評を得て、中国現代史研究会における合評会(2015年12月)で取り上げてもらう機会があり、その際、執筆意図などを発表した。
また、吉川弘文館からまもなく刊行予定である『アジア・太平洋戦争辞典』において、米国の(とくに海軍を中心とした)軍事関連項目について、寄稿した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

不慮の事故のために、実証研究を進めるための資料収集はほとんど実施できなかった。しかし、その代わりに、研究課題である「1940年代後半における東アジア国際秩序形成過程の研究の脱『アメリカ』化」の理論的枠組みと問題設定を深化させることができた。『歴史学研究』に発表した論文は、研究全体の枠組みを提示するものである。
また、『アジア・太平洋戦争辞典』に寄稿することを通じて、戦時期における米国の軍事的動向に対する理解を深めることができた。

今後の研究の推進方策

米国での資料収集と調査を中心にすすめていきたい。まずカリフォルニア州スタンフォード大学フーバー研究所に所蔵されている蔣介石日記をはじめとする一連の資料を調査する。また、さらに時間的な余裕があれば、米国東海岸における資料を調査したい。具体的には、ワシントンDCの議会図書館に所蔵されているタイム社主ヘンリー・ルースや駐ソ大使だったアベレル・ハリマンの資料や、ニュージャージー州プリンストン大学に所蔵されているUnited China Reliefの資料である。これらの資料を分析することによって、「チャイナ・ロビー」の国際的なネットワークを明らかにしていきたい。

次年度使用額が生じた理由

平成26年度に研究専念期間に入ることが認められていたために、米国での一時資料収集を実施し、その成果を分析して実証研究としてすることを予定していた。しかし、不慮の事故によって長期入院を余儀なくされたので、資料収集を実行できなかった。そのため、計画を変更して、二次資料の分析をおこなうことにしたため、未使用額が生じた。

次年度使用額の使用計画

米国での資料収集を実行して、未使用額をその経費に充当したい。具体的な行き先として予定している場所は、カリフォルニア州スタンフォード大学や、ワシントンDCなどである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 戦後東アジアで「アメリカ」を学び捨てる―「冷戦としての戦後」と脱植民地化の記憶喪失2014

    • 著者名/発表者名
      加藤公一
    • 雑誌名

      歴史学研究

      巻: 通号920 ページ: 2~13

  • [学会発表] 「特集 「戦後日本」の問い方と世界史認識」『歴史学研究』No.920(2014年7月)について2014

    • 著者名/発表者名
      藤井元博、松本和久、加藤公一、松村史紀
    • 学会等名
      中国現代史研究会
    • 発表場所
      財団法人東洋文庫
    • 年月日
      2014-12-26
  • [図書] アジア・太平洋戦争辞典2015

    • 著者名/発表者名
      吉田裕ほか編
    • 総ページ数
      718+109
    • 出版者
      吉川弘文館

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公開日: 2016-05-27  

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