研究課題/領域番号 |
24530170
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
中嶋 啓雄 大阪大学, 国際公共政策研究科, 准教授 (30294169)
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キーワード | 知的交流 / 松本重治 / ロックフェラー財団 / 日米関係 |
研究概要 |
ニューヨーク郊外のロックフェラー・アーカイブ・センターを9月に訪問して、ロックフェラー3世や日本近代政治史の専門家で1960年代初めまでロックフェラー財団人文科学部長を務めたチャールズ・B・ファーズの日記を含め、松本重治が主導した国際文化会館の創設やその事業(知的交流活動)に関わる一次史料を閲覧・収集した。また、国内においても松本の知的交流活動の端緒となった、ロックフェラー3世が文化問題顧問として参加したダレス講和使節団の活動についてのアメリカ合衆国外交文書(マイクロフィルム)や、外務省管轄下の財団法人としての国際文化会館の活動に関する日本外交文書(外務省外交史料館所蔵)を閲覧・収集した。 前年度および上記の史料収集を踏まえて、12月には関西アメリカ史研究会第245回例会において、「戦後日本の知的交流とアメリカのフィランソロピー―――松本重治とロックフェラー財団」、また、3月には国際関係史学会(Commission of History of International Relations〔CHIR〕)研究会において、「戦後日本の知的交流とロックフェラー財団―――松本重治とジョン・D・ロックフェラー3世の関係を中心に」と題して報告を行なった。 このように前年度来の史料収集がようやく一つの研究成果に結びつきつつあり、アメリカのいわゆる巨大財団(big foundation)の一つであるロックフェラー財団とアメリカ外交の接点を探る、近年、内外で関心の高いアメリカ外交や日米関係の文化的側面の研究として、今後、さらに考察を深めていくつもりである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
前年度と今年度のアメリカ合衆国での史料収集に基づいて、2度、研究報告を行なう機会に恵まれて、まだ十分とは言えないが、先行研究を踏まえた上での自分なりの解釈をある程度、練り上げることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究報告での質疑応答を踏まえ、学術論文として成果をまとめる。現在、日本語、英語双方で草稿を執筆しつつあり、投稿・寄稿すべき学術雑誌や海外の学会での研究報告の機会を検討する。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の外国旅費を補う目的で若干の残額を残した。 外国旅費等
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