研究課題/領域番号 |
24530171
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
増島 建 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (30286017)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 国際情報交換 |
研究概要 |
研究初年度においては、アジアにおける地域主義への域外国・機関からの支援を主たる研究対象として調査・研究を行った。地域主義に関する理論研究を収集・分析するとともに、現地出張調査を実施した。出張調査を行ったインドネシアでは、ASEAN事務局職員(対外関係担当)に面会して聞き取り調査を実施するとともに、事務局内において日本の技術支援担当者からも聞き取りを行うことができた。また、日本政府ASEAN代表部公使、駐インドネシア日本大使館経済担当公使とも面会して、聞き取り調査を実施した。さらに駐インドネシア米国大使館の経済担当書記官、援助担当書記官と面会して米国によるASEAN支援の現状について聞き取り調査を行った。 これらの調査を通じて、地域主義機関としてのASEANの性格やその中での事務局の位置づけについて知見を得ることができた。また日本、米国によるASEAN支援政策の実態について貴重な情報をインタビューを通じて得ることができた。さらにASEAN側からのこれら域外からの支援についての認識・評価の一端を垣間見ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究初年度においては、地域主義および政策移転に関する理論文献の収集・分析にあたるとともに、予定されていた現地調査を東南アジアにおいて実施した。現地調査として、インドネシア、シンガポールを訪問して聞き取り調査・資料調査を実施することができた。現地調査によって、ASEANの実態、ASEAN事務局の位置づけ、ASEANへの域外国として最も重要な米国と日本の政策・実態、これらの国々による域外支援のASEANによる認識・評価といった研究計画上重要な点について、知見を深めることができた。他方では、予定していたアジア開発銀行に関する現地調査が日程上の都合から、初年度において実施することができなかったのは残念であった。研究二年度以降にアジア開発銀行の本部があるフィリピンを訪問するなどさらなる現地調査を実施して残りの研究目的の達成にさらに努めたいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
初年度において進めた地域主義や政策移転に関する理論のサーベイ作業を初年度に引き続き行いたいと考えている。また初年度において実施することのできなかったアジア開発銀行での現地調査を行うことによって、初年度に対象としたアジア地域主義に関する研究を一層進展することをめざしたい。 そして第二年度において予定している米国、中南米、および第三年度に予定しているヨーロッパへの現地出張調査を、日程上の都合を考慮しながら、できるだけ効率的に実施したいと考えている。さらに我が国外務省関係者から日本の地域主義支援政策について集中的に聞き取り調査を実施したい。 第二年度からは諸外国の研究者との意見交換を広く行い、同時にこれまでに得られた知見の発信にも留意したいと考えている。
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次年度の研究費の使用計画 |
地域主義理論・地域研究・政策理論等に関する文献の収集に引き続きあたりたい。またこれまでに収集したデータの整理のために謝金を支払うことを予定している。 出張調査については、本年度については日程上の都合から、ヨーロッパを中心にして行いたいと考えている。海外の研究者との意見交換や情報収集も同時に行うことをめざしたい。国内出張では、外務省において聞き取り調査を実施するなど行うことを予定している。
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