• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2014 年度 実績報告書

冷戦期の米欧関係とバチカン外交ー国際政治における宗教の役割ー

研究課題

研究課題/領域番号 24530174
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

松本 佐保  名古屋市立大学, 人文社会系研究科, 教授 (40326161)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード冷戦 / 米欧関係 / バチカン外交 / 宗教と国際政治 / 安全保障
研究実績の概要

冷戦期の米欧関係とバチカンについて、昨年度まではバチカンやイギリスを中心としたヨーロッパでの史料収集や調査を行っていたが、今年度は最終年ということで米国に主に調査に出かけた。ワシントンのナショナル・アーカイブス(国立文書館)では、国務省の史料を中心に冷戦時代のバチカンやイタリアとの関係のファイルを中心に閲覧し、米国とバチカンやバチカンがバックアップするイタリアのキリスト教民主党との密接な関係が明らかになった。イタリアの共産党の政権入りを阻止するために、米国とバチカンが共に協力関係にあったことがはっきりと読み取れる史料を入手することが出来た。また同じワシントンにある米国議会図書館の文書館には、ルーズベルト大統領とトルーマン大統領の個人特使としてバチカンに派遣されたマイロン・テーラーの書簡があり、ここでマイロン・テーラーとトルーマン、そして教皇ピウス12世、また他国、主に英国の外交官や首相、また英国国教会の聖職者などとのやり取りの文書を手に入れることが出来た。これで冷戦時代の米国とバチカンの関係がかなり明らかとなった。
これら史料収集の成果は、9月のイギリスでの国際関係史学会、そして10月の日本国際政治学会で学会報告として発表した。この学会報告は現在校正中の論文としてすでに学術関係の論文集に掲載が決定している。
そのほかバチカン市国のバチカン秘密文書館やローマのキリスト教民主党研究所では米国と英国、そしてバチカンとイタリアの冷戦時代の安全保障をめぐる協力関係を示唆する史料を入手することが出来た。
この様に本科学研究費は海外での成果発表や史料調査のために主に使用された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (2件)

  • [雑誌論文] イタリアの戦後処理2015

    • 著者名/発表者名
      松本佐保
    • 雑誌名

      外交

      巻: 29 ページ: 87-94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 冷戦期における米国の対イタリア戦略戦2015

    • 著者名/発表者名
      松本佐保
    • 雑誌名

      研究論集

      巻: 12 ページ: 115-130

    • 査読あり
  • [学会発表] 冷戦史研究への新視点2014

    • 著者名/発表者名
      松本佐保
    • 学会等名
      国際政治学会
    • 発表場所
      福岡国際会議場
    • 年月日
      2014-10-30 – 2014-11-01
  • [学会発表] Gulio Andreotti, Italy and Cold War2014

    • 著者名/発表者名
      Saho Matsumoto
    • 学会等名
      British International History Group
    • 発表場所
      Univeristy of London
    • 年月日
      2014-09-04 – 2014-09-06
  • [図書] 世界の蒐集(共著で松本佐保は第2部第2章担当)2014

    • 著者名/発表者名
      福井憲彦
    • 総ページ数
      359
    • 出版者
      山川出版社
  • [図書] コモンウエルスとは何か(共著で松本佐保は第2部第2章担当)2014

    • 著者名/発表者名
      山本正・細川道久
    • 総ページ数
      321
    • 出版者
      ミネルヴァ書房

URL: 

公開日: 2016-06-01  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi