研究概要 |
本年度は当該研究の初年度のため、現地調査を通じた資料収集に重点をおいた研究活動となった。まず、①2012年10月に、連合王国公文書館での資料収集を2日間、さらにジュネーブにあるILOの公文書室でのアーカイブ調査を5日間、実施した。加えて、②2013年1月には、連合王国公文書館での調査を継続すると同時に、オックスフォード大学移民政策研究所を訪問し、約1週間の調査を行った。その際、高度人材をめぐる受入政策の政策作成及び運用過程に関する一時資料を収集するだけでなく、当該分野における研究者との面談を通じ、最新の研究動向を学ぶことができた。 研究成果発表については、当該研究の出発点となる前年度までの研究(基盤研究C 課題番号21530160)を踏まえ、英語と日本語でそれぞれ論文を発表した。"Unravelling the Security and Insecurity of Female Overseas Domestic Workers" (Afrasian Research Centre, Ryukoku University, Working Paper Series, Studies on Multicultural Societies, no. 2)では、多文化主義社会をめざす政策と移住労働者の能力別受入政策の交差を、女性移住労働者に焦点をおき議論した。また『コンストラクティヴィズムの国際関係論』(有斐閣)に掲載された論文では、各国の移住労働者受入政策と移住労働者をめぐる国際レジームの変遷及びその動因について分析した。
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