チームで仕事が行われる時、メンバー全員が努力することが望ましいが、1人だけするのでは当人が損をするにすぎないという囚人のジレンマが起こることが多い。このようなジレンマは、チームの誰かがすすんで努力するリーダーシップ行動で解決される場合があることは、一般に経験的に知られており、経済実験研究で確認されている。しかし、そのような限定的リーダーシップがなぜ起こるのかは不明だった。 本研究では、他者より損をすることと、より得をすることの双方を回避しようとする人間の特性を考慮に入れると、ジレンマの状況に応じた特定の回避特性の人がリーダーシップ行動をとることを、ゲーム理論の方法によって理論的に示した。
|