研究概要 |
本研究は観測に費用を伴う場合の評判効果に関する実験研究であり、理論で予測される行動が実際に発生するかどうかを実験で確かめることが目的である。本年度は関連研究のレビューを行い、実験計画について検討した。文献レビューについてはBo (2005, AER)以降に行われた繰り返しゲームに関する論文を中心に文献レビューを行い、また、繰り返しゲームや評判効果(reputation effect)に関する理論的研究に関する文献レビューを行った。実験で検証を行う理論モデルはMiyahara (2011, mimeo)の評判効果に関する研究であり、観測に費用を伴う囚人のジレンマ無限繰り返しゲームの実験を行う予定である。実験に関する先行研究を参考にしながら、実験計画について検討した。実験を効率的に行うためにイントラネットにウェブサイトを構築し実験を行う予定である。実験用のサーバーを構築した。そして、実験のためのウェブプログラムの作成、動作確認を行なっている段階である。また、本研究の理論モデルと関連した理論研究も行った。主体は観測するかしないかを選択することができ、観測するとしても費用は伴わない有限繰り返しゲームを分析した。つまり、観測がオプションとなっている状況である。この研究を関口格氏(京都大学)と共同で行った。この研究を論文にまとめ、Journal of Economic Theoryに投稿した。すでに受理され、出版予定となっている。
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