研究課題/領域番号 |
24530206
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
後閑 洋一 立命館大学, 経済学部, 教授 (30324502)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 労働所得税 / 資本所得税 / 累進性 / 収束速度 / 民間支出手段 |
研究実績の概要 |
本年度はWddoford(1986、JET)の資金制約のある経済モデルとReichlin(1986,JET)の2つのモデルに政府の資金調達手段のうち累進的な労働所得税と資本所得税の2つを導入し,所得税の累進性と経済変数の定常均衡解への収束速度の関係を理論的に考察した. Wddoford(1986、JET)の資金制約のある経済モデルは消費と投資の民間支出がそれぞれ労働所得と資本所得によって賄われているが,Reichlinのモデルはその逆である. 論文の得られた結論は労働所得税と資本所得税の累進性の変化は収束速度に対して質的に逆の影響を及ぼすが,その影響の仕方は Wddoford(1986、JET)とReichlinのモデルでは結論が逆転する. よって所得税の累進性と収束速度の関係を考察するにあたり,労働所得税と資本所得税を分類することは重要であると同時に消費や投資などの民間支出がどのような所得によって賄われているかを考慮することも重要であることが判明した. この論文は昨年の6がつアメリカのシアトルで研究発表を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
昨年度1年間副学部長をやったことにより予定していた海外出張を行うことができなくなり,有識者からコメントをもらい,論文を修正するという作業を行うことができなかったので,十分に完成度を高めることができなかったから.
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今後の研究の推進方策 |
本年度は副学部長の仕事から外れたので,予定通りに海外出張を行うこともできるので,研究が進んだ段階で海外のカンファレンスや学会などに積極的に参加し,有識者からコメントをもらい,それをもとに論文を修正し,レフリー性のジャーナルへ論文を載せたいと考えている.
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度副学部長の役職に就いたこともあり,多くの会議への出席を義務図けられ,予定していた海外出張を行うことができなかった.それによって1回分の海外出張費に相当する金額を使い残すことになってしまった.
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次年度使用額の使用計画 |
本年度は副学部長の役職から外れることができたので,海外出張を行うことが可能である.よって私の専門分野の研究者が多く参加すると考えられる学会およびカンファレンスへ参加し,そこで研究発表を行うことを予定している.
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