本研究では、ニューケインジアンの動学的確率的一般均衡モデルに、研究開発を基礎とした内生的技術成長を組み込んだ理論モデルを構築し、モデルに基づいた短期的および中期的な経済変動の定量的な分析を行った。 分析によると、将来に関する期待(将来の景気に対する楽観的な期待)が上昇すると、研究開発投資が上昇し、これが内生的に技術水準を引き上げ、経済を上昇させることが示された。これは、現実に観察される生産性(技術)とGDPの緊密な正の関係が、外生的技術変化でなく、需要ショックにより説明可能であることを示している。また、本研究では、内生的技術変化が景気変動に与える影響が重要であることも定量的に示された。
|