研究実績の概要 |
本年度はこれまでの研究成果の一部の報告および公刊などを行なった。2014年8月20日から22日にかけて横浜国立大学で開かれた国際功利主義学会で、"Jeremy Bentham on Government and Indirect Legislation: Regime of publicity, enlightenment, and discipline"というペーパーを報告した。また同セッションで報告したBrunon-Ernst, Anne (Pantheon-Assas University / Centre Bentham)氏と共同研究プロジェクトを立ち上げた。彼女はフランスの文脈における功利主義思想の展開を扱っており、イングランドとの比較を行なう為に必要な知見を提供してもらっている。 また初年度に続いて、上記ISUSの後に渡英し、ロンドン大学所蔵のベンサム草稿の検討およびUCLのSchofield教授と意見交換を行なった。ロンドンでは現代的な食におけるオーガニック食品について、どう人々が関わっているのかについても、市内の定期市に足を運び観察などを行なった。 年度後半はISUSで報告したペーパーのブラッシュアップに時間をかけつつ、上記Brunon-Ernst Anne氏とのプロジェクトから派生した研究としてNudge(行動経済学などで注目されている統治技法)に関する論文への取り組んだ(food ethicsにおいても、人々を健康的な食生活、とりわけ栄養価の高い食品を選択してもらうことについてNudgeの問題は重要である)。これには倫理学および政治哲学の研究者らとの共同論文の形で来年度具体的に執筆に入る予定である。
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