研究実績の概要 |
昨年度は前年度に引き続き、夏にロンドン大学University College所蔵のベンサム草稿で動物に関するものを選んでチェックし、現代における食の実践運動としては、ロンドンのファーマーズ・マーケットやコッツウォルズのアーツ&クラフツ運動の影響を受けた職人村などの現地調査および資料調査を行なった。 研究計画では日本ベジタリアン学会で報告する予定だったが、2015年11月17日にはポーランドのワルシャワ大学で開催されたInternational Conference: Animals in Japanese Culture and Religion, The IX Days of Japanで、「日本における肉食の倫理~人間と動物の共生」"Ethics of Eating Meat in Japan: the Coexistence of Humans and Animals"と題する報告を行ない、とりわけ現代日本における肉食の倫理の起源や肉食の現状(食肉消費量の推移など)について報告した。ワルシャワ大学の教授や院生、日本からの参加者からの諸々コメントが、研究を深める上で重要な示唆となった。また学会後はワルシャワ市内でここ数年、活発となってきたオーガニック・マーケットや市場、食の嗜好の変化などについて現地調査を行なった。 また肉食との関係で、動物愛護の問題も検討し、これは年度中の公刊にはならなかったが、『テーマで読み解く生命倫理』(教育出版、2016年4月)の「動物愛護と倫理」の章に結実した。
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