研究課題/領域番号 |
24530229
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
竹内 惠行 大阪大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (60216869)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 統計学史 / 統計学教育 / 輸入概念の伝播 |
研究実績の概要 |
本研究は、日本における数理統計学の定着と、応用分野への普及がどのようにしてなされてきたか、その変遷を文献資料と関係者の証言から構成し、明らかにすることを目的としたものである。まず研究打合せであるが、連携研究者との打ち合わせを5月21日(立川)、9月15日(東京)の2回開催し、今後の研究の進め方やインタビュー調査対象者の選定等についての協議を行った。 インタビュー調査については、以前に実施したインタビューの編集作業を引き続き行った。しかし、新たなインタビューについては、日程等の条件が合わず平成26年度に実施することを見送らざるを得なかった。 文献調査については、1920、1930年代に文部省在外研究員としてイギリスのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンのK. Pearsonの研究室に滞在した5名の日本人統計学者の実態調査を平成25年度に引き続き行った。平成26年度は、同大学図書館に海外出張して、当該日本人統計学者と同様な資格で滞在した他の人々の状況や、当時の教育・研究内容について貴重資料(College Calendar)による文献調査を行った。 さらに、本研究の目的でもある、海外から移入した「科学」の定着と変容に関する研究においてエスノグラフィーやインタビューなどの質的方法が有効であることを、科学の社会学やポストコロニアル・スタディーズの観点を踏まえて考察し、その一部を”Anthropological Research Methods in Business Administration: Migration and Translation within the Social Sciences” としてまとめた。(当該論文はEnterprise as an Instrument of Civilization(Springer, 2015)の一章として掲載される予定である。)
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
インタビュー調査に関しては、当初5~6名を予定していたが、以前に実施したインタビューの編集作業に手間取ったこと、連携研究者とのスケジュール調整が出来なかったこと、対象者が高齢者であることもあり、調査時期として盛夏や真冬時の調査を慎重にせざるを得なかったこと、さらに気候的に好ましい春・秋の期間に諸般の事情によりインタビューのための時間が割けなかったこと、が重なり、年度内に実施することが出来なかった。 文献調査に関しては、文献所蔵機関の協力や購入した画像撮影機器の助けもあり、計画をやや上回るペースで調査そのものを進めることができた。ただ、収集した画像データの分量がかなりあるため、文字データに変換すること(入力)に時間がかかっており、その結果、調査結果を取りまとめるところまでには至っていない。しかしながら、年度内に新規の論文1編をまとめることが可能となった。上記の2点より全体的には遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
想定外の事態によりインタビュー調査が計画通りに実施できなかったことを踏まえ、今後はインタビュー調査について、次の3つの方策をとることとした。①インタビューの聞き手となる研究協力者を募り、調査にコミットしてもらうこと、②インタビュー調査の遅れを挽回するために、インタビュー調査を個別に行うだけでなく、座談会形式で複数人に同時にインタビューすること。③調査対象者を学者だけでなく、実務家まで広げて、幅広い視点から数理統計学の導入と普及を考察すること。また、文献調査に関しては、今年度の方針を踏襲し、国内で入手困難な資料については、積極的に海外での文献調査を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初予定していたインタビュー調査が計画通りに行えなかったため、それに伴い26年度の研究費にインタビュー調査関連経費の未使用額が相当額発生した。また、海外文献調査を行ったものの、授業期間中であったため、十分な出張日数を確保できず、使用旅費が予定額以下となったことが挙げられる。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度の使用計画としては、26年度のインタビュー調査予定数の残数を27年度に繰り延べて実施する。また未使用額の一部を順調に計画が進んでいる文献調査用に研究費を振り替え、研究進行の過程で必要となった海外文献調査を実施する。 具体的な使用計画としては、まず、インタビュー調査について、5~6名程度の聞き取りを実施するための国内旅費・謝金、テープ起こし費用を予定している。また、文献調査については、今年度で不足が明らかとなった国内外の文献調査のための国内旅費およびコピー費用、海外旅費を予定している。その他には、連携研究者および研究協力者との打ち合わせのための国内旅費と報告書作成のための製本費用等を予定している。
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